裏生徒会部
「柊也の家とーちゃくー!お邪魔しまーす」
「にゃー」
「お。猫!名前なんていうんだ?」
「クロ」
「…そのまんまなのか」
咲也はやって来た途端「さぁ、柊也っ!コイツの名前を5秒以内に述べよっ!」と言った。
突然のことだったから、見た通り「クロ」と俺は答えた。
すると咲也は「柊也らしいね、まんまなんて。じゃ、こいつはクロで決定ー♪」となったわけだ。
そしてなぜか「名付け親が飼わないと」とハメられたように俺が飼うことになった。
「猫は平気なんだな」
「は、じゃなくて、も、だ。別に犬は怖くなんかない!」
「あー……ちなみに犬もいるぞ。ほら後ろ」
「なっ…!?」
ばっと凄い速さで俺の後ろへと隠れる。
「嘘だけどな」
「嘘…!?てめっ柊也!騙したな!?」
「確かめただけ」
凌久のわかりきった嘘を。
軽く俺を睨むと、クロを抱えた。
「お前の主人は嫌なやつだな」
「にゃー」
「ほら、柊也。クロも「そうだー」って」
「そうか。じゃ、クロも凌久も飯抜きな」
「えーっ!?」「にゃーっ!!」
クロは凌久の手から飛び降りると、俺にすがり付いてきた。
こいつ…妙に言葉理解してるんだよな。
機嫌悪くなったら1人と1匹はうるさそうだし、飯抜きってのは冗談だけど。