裏生徒会部


凌久がクロと遊んでいる間、俺は晩飯作り。

咲也もそろそろ帰って来そうだな。


「凌久、いつまでもそいつと遊んでないで手ぇ洗え」

「うんー…って柊也が飯作ってるのか!?」

「今更…?俺、一人暮らしだし」

「へぇ。いいよな、一人暮らし。俺は寮だけどルームメートがうざい」

「寮のほうが楽だと思うけど」


飯を机に並べ、座る。

咲也の分に気づいたのか、凌久は首を傾げた。


「なんで1つ多いんだ?」

「それは」

『俺の愛しの柊也(の作ったご飯)~!ただいま~!』


俺の言葉を遮り、玄関から大きな声が聞こえた。

どたどたと此方へとやって来る。

ドアが開き、咲也の顔を見た瞬間、凌久は少し驚き、どことなく引いた表情で


「柊也って同性あ」

「違う」

「でも愛しの柊也って」

「多分、かっこ作ったご飯って入ってると思う」

「え?え?なんのこと?どちら様?」


状況が読み込めない、勘違いをさせる発言をした弟。

事情を説明すると、わかったようなわかっていないような返事が返ってきた。


「えーっと…俺は柊也の弟、咲也です」

「俺は凌久。つーか、さっき一人暮らしって言ってなかったか?」

「咲也は隣に住んでる」

「別々なんですよー隣ですけど」


一緒に住めば良かったんじゃ、となるが、親父がなぜか別々に契約した。

しかも隣人同士。

もう少し金のこととか考えきれないのか、親父は。

…まぁ、咲也と住んでいたらうるさくて寝られなさそうだったけど。

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