裏生徒会部
学園祭2日目。
午前中は仕事がないから、茜とちょっと回ってきた。
鈴菜は看板娘みたいなものでずっと仕事。
まぁ代わりにいるだけって感じだけど。
「静ちゃんおかえり~楽しかった?」
「うん。じゃ、仕事頑張ろっか。ね、茜……あれ?」
ついさっきまで隣にいた茜の姿はない。
辺りを見渡してみると見つけた。
鞄を持ち、帰る気満々。
「何してるの、茜」
「いやぁ…うん。頑張るんだぞ、2人とも!あたしは帰るからなっじゃっ☆」
「「じゃっ☆」じゃないわよ。やるわよ」
「え、や、人には向き不向きってもんがあって…」
「それじゃあ、茜ちゃんには凄く向いてるね~♪」
「どこがだよっ!?」
抵抗する茜を抑えつつ、着替えさせる鈴菜。
茜が嫌がっている理由。
それは私達のクラスがやる喫茶店のせいだ。
普通の喫茶店ならまだしも……
「なんで…メイドなんだよ……」
「茜ちゃん可愛いよ~♪」
喫茶店は喫茶店でも、メイド喫茶。
ウエイトレスの私達はメイド服を着なきゃなんないし、その上…
「いらっしゃいませ、ご主人様♪…はい。茜ちゃん、言って♪」
「い、いらっしゃい…ませ……ご、ごしゅ………こんな恥ずかしい台詞言えるかぁぁぁっ!!」
言葉もメイドになりきらなきゃいけない。
私も正直、恥ずかしいからやりたくないんだけど…
まぁ、決まったことは仕方がないし。
茜はずっと納得できないみたいだけどね。
「3人とも、そろそろ交替してもらっていい?」
「あ、うん~今から行くね~♪」
「ちょっ…あたしは行きたくねぇ……!」
「茜、諦めなさい。行くわよ」
鈴菜と茜を引っ張りながら教室へと入った。