裏生徒会部
講堂へ着くと、工藤くんにクラッカーを渡された。
「多分もうすぐ来るはずよ。ドアが開いたら皆でクラッカーを鳴らすの」
「うん。わかった」
どうやらサプライズみたい。
ライブもあったし、忘れてたのかな自分の誕生日。
『ったく追い出したかと思えば次は呼び出すってどんだけ人使い荒いんだよ…』
声が聞こえてきた後、ドアが開いた。
その瞬間、ぱんぱんぱーんと次々にクラッカーの音が鳴り響く。
凌久くんの顔は勿論、驚いた表情。
「な、何だ…?」
「誕生日おめでとうりっくん」
「誕生日……あぁっ!!今日、俺の誕生日じゃねぇか!!」
桜達は練習が終わった後、凌久くんをどうにか追い出し、誕生日会の計画を立てていたらしい。
その度に凌久くんは「仲間外れにされた」と拗ねていたみたいだけど…。
その事を桜に説明されるとすぐに顔を手で押さえた。
「ちょっと、どうしたのよ?凌久」
「感極まって泣いてるとか?」
「な、泣いてなんかねぇし…」
涙声な凌久くん。
本当、素直で純粋だなぁ…いやここまで純粋なのって珍しいかも。
凌久はごしごしと目を擦り、満面な笑みになった。
「ありがとな!」
その言葉を聞き、皆も微笑んだ。