裏生徒会部


悠くんに救助要求メールを送り、考えてみる。

柊也がどうしてこんな行動を始めたのか。

何か原因が必ずあるはず。

本人の意思だなんてありえない。


「よくわからないけど、一ノ瀬くん。涼くんから離れてあげてくれる?」


そう言い、桜が鬼塚さんと柊也を離そうとした瞬間。

桜は腕を引っ張られ、胸のなかへ。

それは凌久くんでも榊くんでも工藤くんでも山本くんでも鬼塚さんでもない。

勿論、私でもなく…

柊也の胸のなかへ。


「えっ」

「抱き心地いいな、お前」

「あのー…えぇ……?一ノ瀬くん…?」

「しゅ、柊也!!何やってんの!?」


桜を抱き締めるなんて!!

あれ…もしかしてやっぱり女嫌い直ってる?

やった…って違う!今はそんな喜ぶタイミングじゃない。

鬼塚さんはすっと立ち上がり、手をボキボキと鳴らした。


「しゅう。俺に抱きついたのは許してやるけど、桜は……なぁ」

「柊也テメェ…よくも俺の桜に…」

「いやバカ凌久のものじゃないから。俺のだから」

「いやいや渉のでもないでしょっ!僕の…でもないけど……」

「というより、先輩方。怖いですよ、顔」


皆からは物凄くブラックなオーラがでていて、顔は怖い。

そして注意した山本くんも怖い顔。

やばい…柊也が危ない。

桜を助ける、というよりも柊也を助けないと。


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