裏生徒会部



「ほ、ほら柊也!早く離れなさいって!」


急いで柊也を桜から離そうとした瞬間、また同じことが起こった。

今度は桜ではなく、私、が。


「えぇっ!?ちょっとっ…」

「「「「「「おおー」」」」」」

「何が「おおー」なの!?」


周りは全く離そうと協力してくれる気はないらしい。

なぜかニヤニヤと見ているだけだ。


「急に神埼と俺を離しやがって…なんだ静音、嫉妬か?」

「は!?」


そしてこいつはいきなり何を言い出すんだろうか。

離そうとするが、柊也の力には全く敵わない。

柊也は抱き締める力を強め、首元に顔を埋めた


「…安心しろ。俺はお前が一番だから」


そう囁くように言った途端、バンッと勢いよく講堂のドアが開かれた。


「静音先輩!大丈夫ですか!?」

「おー悠じゃん!」

「あ、凌久さん、どうも…ってそうじゃなくて静音先輩と柊也先輩は!?」

「ここ」


凌久くんが場所をずれると、悠くんの顔が見えた。

やっと助けが…!!


「なんですかこのデジャヴ感は…」


悠くんの声に反応してか、顔を上げ、私からすぐに離れる。


「ゆー」

「はぁ…最悪」



< 427 / 739 >

この作品をシェア

pagetop