裏生徒会部
悠くんはもうどうでもいい、といった表情で柊也に抱きつかれていた。
「あー…誰ですか。柊也先輩に酒を飲ませたのは。凌久さんですか」
「なんで俺になるんだよっ違う!」
お酒…あ。そういえば、前に同じことがあったんだった。
確か夏フェスの時。
悠くんが食べていたお酒入りチョコを柊也が食べて、私に抱きついてきたっけ。
あんなちょっぴりのお酒でも酔っちゃうくらい、物凄くお酒に弱いとか悠くんが言っていた。
そして酔った柊也は抱きつく癖がある。
酔いから覚めたらその記憶はない、と。都合のいい神経をしている。
「酒…あ。俺だ。これ」
鬼塚さんが手に取り、見せたものはチョコレートの箱。
それもお酒入りの。
「たしかに普通の酒入りチョコのやつよりは強めだけどさ…もしかしてこれだけで酔ったのか?しゅう」
「その通りです。それだけで酔うほど弱いんですよ」
またしてもお酒入りチョコの手により、柊也が酔うとは……。