裏生徒会部
いや、そもそもなんで中西くんは部室にいるんだろう。
確か部活してるって言ってたはず。
「中西くん部活は?」
「部活は両方とも今日は休みやねん」
「両方ともってことは掛け持ち?」
「せやで。新聞部と家庭科部」
新聞部…って栗原さんと笹島さんのいる新聞部だよね。
たまに行くけどいつもあの2人しかいない。
中西くんなんて1度も見たことがない。
それに部活は最低5人いないといけないから、あと2人はいるはずなんだけど…その2人も見たことがない。
「本当に新聞部に入ってるの?見たことないけど」
「入っとるで。まぁ先輩がバカップルやさかい、俺含めて3人とも全く顔出してへんけどなぁ」
バカップルな先輩…うん。栗原さん達のことで間違えなさそう。
改めて考えてみると毎日行くのは色んな意味で辛い。
行ったとしても、あの雰囲気に耐えれずに帰ると思う。
「部員5人ギリギリやさかい、辞めたら廃部になるやろ。せやから辞めずにいるんや」
「なるほど。で、家庭科部っていうのは何をやるの?」
「裁縫とか料理とかまぁ授業の家庭科でやることとかやな。あと家庭菜園みたいに色々育てたりもしとるんやで」
中西くんが裁縫や料理、それに家庭菜園…
想像してみたが似合わない。
というよりできそうにない。
「浅井さん、なんか失礼な事思ってへん?」
「な、何も!思ってない思ってない!」
中西くんの疑いの目は妙に鋭い。