裏生徒会部


中西くんは「まぁえぇわ」と諦め、話を続けた。


「それでな、姫ちゃんって言われとる部長が凄いねん!」


家庭科部の部長さんは全てを極めているらしい。

裁縫は朝飯前。

瞬く間にコーデ一式を作ってしまうし、センスも抜群。

料理はプロ並み。

一口食べれば忘れられなくなる味。


「そんな一見完璧な部長やねんけどな、ちょっとドジなとこもあんねん。いきなり転んだり」


それってちょっとしたドジの範囲なのだろうか。

いや、でも一見完璧なのにドジな所があるだなんてギャップ的な感じで可愛いかも。

きっと男子に人気なんだろうなぁ。

姫ちゃんってあだ名がついてるほど見た目も中身も可愛いんだろう。


「中西くんはその部長さんのこと好きなの?」

「え。それってどっちの好きや?」

「どっち?普通に好きってこと。ラブの。恋愛の」

「はぁっ!?ラブ!?恋愛!?何言ってんねん!!ありえへん!!俺はノーマルや!!」

「は…はぁ……?」


なぜか怒鳴られた。

何か悪いことでも言ったかな…。

あ。中西くんは凪さんのことが好きだったんだっけ?それで?

いやそれにしたって怒鳴らなくても…。



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