裏生徒会部
怒鳴った理由を聞こうとしたけれど、中西くんの方が先に口を開いた。
「てか浅井さん。さっきから気になってたねんけど、携帯ずっと光っとるで」
「え?」
そう言われ、机の上に置いていた携帯に目線を移すとチカチカと点滅している。
ディスプレイには「間 仁」という文字が。
あ…やばい。
恐る恐る携帯を手に取り、通話ボタンを押す。
「も、もしもし…?」
『あぁ、何度もおかけして申し訳ありません。まさか呼び出したご本人様がまだ来ない、とは思っていませんでしたから。しかも電話にも全く出て頂けないとは…』
「あ、あのー」
『僕は全くもって気になんてしてないですよ?ですが一ノ瀬くんが隣で苛々しているんですよね。凄く苛々する気持ちはわかりますが』
「今すぐ行きます!全力疾走で!」
『はい、お待ちしております』
ブチッ。
……あぁ…本当にやばい。
相当怒ってた仁。黒い笑顔がすぐに思い浮かんだ。
しかも敬語で表モード全開なところが更に物語っている。
昨日、仁と柊也に「講堂に来て」と言っていたんだった。
それなのにすっかり忘れて、呑気に中西くんと雑談していた。
「中西くん留守番お願い!!」
「へ!?留守番って何っ…」
中西くんの言葉を無視し、全力で講堂へ向かった。