裏生徒会部


全力で行ったとしても責められるのは確実。

それをわかって行きたくないんだけど、でもここで逃げて帰った方がもっと悪化する。


「わっ!!?」

「きゃっ!?」


曲がり角でぶつかってしまった。

すぐに立ち上がり、ぶつかってしまった子に手を差し伸べる。


「ごめんね急いでて!大丈夫?怪我とかしてない?」

「私もよそ見をしてて…大丈夫ですって……あ、ああっ、あああ浅井静音先輩!?」

「えっと…うん?」


女の子はあたふたとし、すぐに自力で立ち上がる。

手に大事そうに握っていたカメラを腰から下げているポーチにしまった。

あれ…この子、どこかで見たことがあるような……


「あぁっ!!確か入学式の時にも!」

「え、えぇっとは、はい!覚えていたんですか!?」

「うん。あの時も私が急いでてぶつかっちゃって…」

「私、宮井 柚希(ミヤイ ユズキ)といいます!覚えててもらえて凄く嬉しいです!感激です!!」


柚希ちゃんはぎゅっと私の手を握り、顔を近づけてきた。

目がキラキラと輝いている…そして近い。もの凄く近い。


「って私急いでるんだった!放課後は部室にいるからいつでも遊びに来てね柚希ちゃん」

「い、いいい、いいんですか!?」

「うん。どうぞ。じゃあ本当にごめんね!私はこれで!」

「は、はい。また!!」


そして私はまた急いで講堂へと向かった。



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