裏生徒会部


月桜の校門へと行くと、ピンク色の声が聞こえ、すぐに鬼塚さんと工藤くんは囲まれた。

私は巻き込まれる前に素早く避難。


「ライブでファンになりました!サ、サインお願いしてもいいですか!?」

「あぁ。俺ので良ければいいよ」


ファン…

あの1度のライブでこんなにファンが…す、凄い…。


「私、雑誌で見たときからファンです!!」

「本当?有難うな」


雑誌?

あれ…鬼塚さん達ってデビューはまだしてないんじゃなかったっけ。


「圭吾くん、一緒に写真撮ってもらえませんか!?」

「えっ。ぼ、僕?涼さんじゃなくて?」

「はい!圭吾くんです!」

「え。えぇっと…」


工藤くんは「助けて」と言っているのか、困惑した表情で私を見てきた。


「鬼塚さん、工藤くん。私は講堂に先に行ってますね」

「あーうん。わかった」

「ちょっしっ、静音!僕を助けっ…」


あの状況からどう助けろと。

きっと女の子達に睨まれる…というか助ける必要はないと思うんだけど。

私は少し駆け足で講堂へと向かった。



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