裏生徒会部
「遅い」
講堂に入ってすぐそう言ってきたのは仁。
なんて予想通りな台詞を…。
「先輩!大丈夫ですか!?」
駆け寄ってきたのは昨日ぶつかった柚希ちゃん。
私の抱えている段ボールを持ってくれる。
「大丈夫だよ。有難う」
「先輩に有難うって言われた!!嬉しいです!!」
「う、うん…?」
ところでどうして柚希ちゃんがここにいるんだろう。
しかも「遅い」って仁は堂々と言ったってことは裏モードを知ってるってこと?
「お。飲み物買って来てんじゃん。ナイス静音」
「奏十、俺とゆいちゃんの分も取ってよ」
「はいはい」
「静音さん有難うございます!」
「いえいえ。どういたしまして」
お礼の一言もなしの2人とは違い、頭まで下げてお礼を言うゆいちゃん。
本当、律義で良い子だ。
「俺の好きな緑茶。しかも濃い味…静ちゃんやっぱ俺のこと好きなんだな。いやー困るなー」
「偶然に決まってます」
「おいおい照れんなよ。デートならいつでも大歓迎だぜ?」
「仁と柊也と悠くんも選んでいいよ」
「ス、スルーだと…!?」
上坂さんの冗談には付き合ってられない。