裏生徒会部


「遅い」


講堂に入ってすぐそう言ってきたのは仁。

なんて予想通りな台詞を…。


「先輩!大丈夫ですか!?」


駆け寄ってきたのは昨日ぶつかった柚希ちゃん。

私の抱えている段ボールを持ってくれる。


「大丈夫だよ。有難う」

「先輩に有難うって言われた!!嬉しいです!!」

「う、うん…?」


ところでどうして柚希ちゃんがここにいるんだろう。

しかも「遅い」って仁は堂々と言ったってことは裏モードを知ってるってこと?


「お。飲み物買って来てんじゃん。ナイス静音」

「奏十、俺とゆいちゃんの分も取ってよ」

「はいはい」

「静音さん有難うございます!」

「いえいえ。どういたしまして」


お礼の一言もなしの2人とは違い、頭まで下げてお礼を言うゆいちゃん。

本当、律義で良い子だ。


「俺の好きな緑茶。しかも濃い味…静ちゃんやっぱ俺のこと好きなんだな。いやー困るなー」

「偶然に決まってます」

「おいおい照れんなよ。デートならいつでも大歓迎だぜ?」

「仁と柊也と悠くんも選んでいいよ」

「ス、スルーだと…!?」


上坂さんの冗談には付き合ってられない。



< 442 / 739 >

この作品をシェア

pagetop