裏生徒会部


男の子は此方へと目線を移すとにっこりほほ笑んだ。

雰囲気的にこの人が王子?


「どうも初めまして。俺は如月 いつき(キサラギ イツキ)と申します。そしてこの転がってるバ…男は如月 一(キサラギ ハジメ)王子です」

「「「「え」」」」

「どうかされました?」


多分、全員がいつきくんが王子だと思ってたのだろう。

だけど、この転がってる一くんが王子だなんて。


「お、おい…いつき……俺様のことは王子じゃなく若と呼べと言っただろう……痛い…」

「あーそうでしたねバカ。あ。間違えた若」


あれ…苗字が同じ如月ってことは兄弟?

でも全く似てないよね。

それに王子と側近の人って言ってたし。


「静音…本当に外国人なのかアイツらは。つーかあの金髪…一だっけ、そいつは本当に王子なのか?」


そう小声で耳打ちしてくる仁。

見た目は外国人だけど、名前は日本名。

しかも普通に日本語もペラペラだし全く片言じゃない。

とりあえず今は私達も自己紹介した方がいいよね。


「えっと、初めまして。私はあさ」

「ユーキ!?」

「へっ!?」


一くんと目があった瞬間、すぐに距離を縮められるとがっと肩を掴まれた。

固まる私をじっと見てくる一くん。

近い近い近い…!


「いつき!!ユーキだ!!ユーキがいる!!俺様の嫁が!!」

「いや若。2次元の人間が3次元にいるわけないでしょ。目を覚ましてくださいっていうか頭大丈夫ですか」

「よく見ろ!!すっげー似てるって!!」


私の結んでいたお団子を解き、前髪を勝手に分けられる。

いつきくんも近づいてくると私の顔をじっと見つめた。

近い近い近い…!!



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