裏生徒会部


「確かに…似てますけど」

「だろ!?日本に来て早々こんな運命が訪れるとは…俺様、今死んでもいい…!」

「では死にますか?」

「冗談に決まってるだろ」


どうしよう。全く話についていけない。

そして一くんはいつまで私の肩を掴んだままなんだろう。


「…おいお前。王子だかなんだか知らねぇけどコイツから離れろよ」

「そうです!急展開すぎてぼーっとしちゃってましたが、とりあえず先輩から離れてください!先輩が困ってるじゃないですか!」

「え?あ、あぁわりー」


柊也と柚希ちゃんのおかげでようやく解放された。

ユーキって子に似てる…と言われたけど、一体誰なんだろう。

そんなに似てるのかな私。


「で、名前途中だったよな。わりーが教えてくれるか?」

「あ、はい。浅井静音です」

「静音…いい名前だな!俺様気に入った!」

「有難うございます…?」


いい名前って言われるのは嬉しいけど気に入ったってどういう…。


「月桜学園へようこそ。僕は生徒会長を務めさせていただいてます、間仁と申します」


昨日と今日、2日も続けて表モードの仁を見るとは。

転校生に好印象を与えるためか、いつにも増して笑顔とこのキラキラオーラ。

恐ろしい。


「生徒会長…この笑顔……もしやお前…」

「はい?」

「実際は超傍若無人ですっげー腹黒くて特定の人をこき使う奴だろ!そして表向きは誰からでも慕われる超優等生。おまけに金持ち!」

「なっ…」


「フフン」とドヤ顔の一くん。

まさかの発言に戸惑いを隠せない仁。

初対面なのにどうしてこんなに的確に仁のことを知ってるんだろう。

私も正直、凄く驚いている。



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