裏生徒会部
柊也も柚希ちゃんも驚いた様子で一くんを見ていた。
「仁の性格が一発でバレるとか…」
「会長さんをこんな短時間で見抜ける人なんているんですね…」
いつきくんは一くんの頬をぐいっと引っ張ると呆れたように溜息をついた。
「若、その2次元脳をいい加減どうにかしてください。どうせよくアニメとかにいるキャラ設定を述べただけでしょう…ってあれ。バレる?見抜ける?」
「嘘だろ…」
どうやら一くんはなんの根拠もなく言っただけ、だったらしい。
だから「そんなわけない」と誤魔化そうと思えば誤魔化せたのだ。
けど、柊也と柚希ちゃんの会話を聞かれ、最終的にはバレた…と。
仁は「最悪」と珍しく落ち込んでいる。
「どうだ俺様の推理。当たってただろ」
「いやまぐれじゃないですか」
「わ、悪いな仁。そう落ち込むなよ…」
「す、すみません会長さん。つい驚いて口に出しちゃったんです…」
「いい…もう……仕方ねぇよ…俺も正直驚いたし」
こうしてまた仁の裏モードを知る人が増えた。
…さて、ここから仁の脅しが始まるだろう。
「他言無用」
これを実行させるためにどんな手を使うのか。
柊也と柚希ちゃんが自己紹介を軽く済ませると、すぐに私達3人は屋上から中へと戻った。
転入早々、可哀相な2人の無事を祈ろう。