裏生徒会部


教室の場所を教えた後、2人のリクエストに答えて部活を回ることになった。


「気になってたんだけど、2人はどうして日本に?それと日本語凄い上手いよね」

「日本に来た理由なんてとてつもなくしょうもないですよ」

「は?しょうもない?どこがだ」

「いやしょうもないでしょどう考えても」


今から一ヶ月前。

事件は起きた。


「“親父ーちょっと俺様、家出するわ。日本に"」

「“部屋から出てきて久々に顔を見たかと思えば何を言い出してるんだお前は"」

「“緊急事態なんだよ!!"」

「“何…緊急事態!?どういうことだ"」

「“俺様の…"」

「“俺の…?"」

「“俺様の大好きなアニメが見れなくなったんだ!!"」

「“は?"」


一くんは部屋に引き籠り、ネットで毎週かかさずに日本のアニメを見ていたらしい。

どうやら日本のアニメや漫画が大好きみたい。

だけど、その毎週見ていたアニメは突然とアップされなくなったようで。

全力を尽くして検索したらしいが見つからず、最終手段に出た。

それが日本へ来ること。

一くんのお父さん…王様は勿論反対したのだが、一くんは行くことを全く諦める気がない様子。

この言い合いは3週間続いた。


「“お前は自分の立場がわかっているのか?一国の第2王子だぞ"」

「“んなことわかってるっつーの。でも兄貴が仕事してて、俺様は別にすることねーし。いつもは部屋に引き籠ってんだから日本に行ったって特に何も変わらねーだろ"」

「“そ、それもそうだが…"」


口籠る王様。

一くんのお兄さんはなんでもできる優等生的存在のようだ。



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