裏生徒会部
アニメを見ること以外にもたくさん日本には行く目的があるようで。
「“それに日本の学校にもすげー行きたいんだよなー。楽しそう青春!"」
「“学校!?日本語すら話せないくせに学校など駄目に決まっているだろう"」
そう言われ、一くんは得意気な顔になる。
「は?何言ってんだよ。話せるに決まってんじゃん」
「“ん?お前、今なんと言っているんだ?それは何語だ?"」
「だからこれが日本語なんだって。ばーかばーかはーげ」
「“おいこら質問に答えろ。きちんと我が国の言葉で。というか最後に言った言葉はわからんがとりあえずイラッときたぞ…"」
「“はぁ…さっき喋ってたのが日本語。俺は日本のアニメを物心ついた頃から見てんだ。話せるに決まってんだろ"」
「“イントネーションまで完璧だ"」と付け加え、ドヤ顔で腕を組んだ。
王様は真剣に考える。
今まで、朝から晩まで引き籠っていた一くんが部屋の外に…しかも外国に行くと言っている。
いつものことなら反対するとすぐに諦め、部屋に戻って行くのだが今回は違う。
3週間も言い合っている。
これは本気で行きたいのかもしれない。
「“だがな、お前1人で、というのが一番の問題だ。向こうで事件に巻き込まれでもしたらどうするんだ"」
「“巻き込まれねぇよ"」
「“もしも、という場合があるだろう。第2王子"」
「“…要は1人じゃなけりゃいいんだな。待ってろ親父"」
一くんは走ってどこかへ行ったかと思えばすぐに帰ってきた。
いつきくんを連れて。
「“なんですか王子。いきなり引っ張って来て"」
「“コイツも一緒に行く。歳も同じだし学校行ってもクラスは一緒になれる。これで問題ないだろ"」
「“学校?王子、学校に行く気になったんですか。ん?でも俺も一緒にってどういう…"」
「“だからお前も俺様と一緒に日本の学校に行くっつーこと"」
「“あー日本の学校に……は!?日本!?ちょっ、どういうことですか?王子…いや、ここは王様もご説明をお願いします"」
「“…まぁ、お前がそこまでして行きたいなら仕方がない。いいだろう"」
「“まじか!?やった!!"」
「“あの、お2人で何話進めてるんですか。ご説明は…"」
こうして一くんといつきくんは日本に来ることになった。
どこの国の王子なのか、そして本名をバレないようにすることが条件に。