裏生徒会部
やはり転校生は波乱を呼ぶ
- 柊也side -
文化祭がやっと終わった、と思えば次は転校生が来るらしい。
しかもどこかの国の王子とその側近とかいうなんとも怪しげな転校生。
そして、その王子と側近の歓迎会を俺らと生徒会でやるとかいう話を今日聞かされた。
毎度毎度の事だが、どうしてこう面倒なことをあいつは引き受けるんだろうか。
「ねーねー柊也。今日の晩飯はなんなの?肉?肉だよね?肉かー!やったー!!」
何も答えていないのに、勝手に「肉」と決め、喜びだす弟。
今日は珍しく早めに部活が終わったようで、一緒に帰っていた。
「誰も肉とは言ってないだろ。野菜」
「野菜?野菜だけ?肉は?」
「肉はない。野菜だけ」
「ええーっ!?俺育ち盛りだよ!?運動部だよ!?肉は!?」
「昨日、ある分全部食っただろうが。お前が」
本当は今日の分まで買っていたはずなのだが。
「今日は超腹減ったからたくさん作って」と駄々をこねられたために、今日の分だった肉も昨日使ってしまったのだ。
「じゃあじゃあ今から買いに行こうよ!!」
「嫌だ。めんどくせぇ」
「行こう行こういーこーうー!!」
「行かねぇ」
もう家のすぐ近くまで帰っているのにどうしてまたスーパーまで行かないといけないんだ。
「柊也のケチっ!!」
「ケチでもなんでもいい。文句あるなら食うな」
つーか、自分で好きに買って、好きに作ればいいだけの話だ。
なのに咲也は、わざわざ朝も夜も俺の方に来ては飯を食い、寝る頃に自分の方へと戻る。
こんなことなら2つも部屋を借りなくて良かったんじゃないかとつくづく思う。
「うっ…柊也の飯食えないのは嫌だ……。我慢する」
「そ」
口を尖らせ、そう言う咲也。
大体、何かを言われても、俺が折れることはあまりない。
そのため、最終的には諦めるのだ。