裏生徒会部
しばらくすると、親父は手をパンっと叩いた。
「さてさて恒例の近況報告でもしてもらおうかな」
俺の入学式が終わってすぐに日本から発ったため、約1年半分の近況報告だ。
果たしてこれを近況というのか。
「えーっとね、俺は9組になった。それとバスケ部に入ったよ!」
「お。さくはバスケ部か。次は何に入る予定?」
普通は次は何に入る予定なのか、など聞くことはないと思うが、中学の頃、コロコロと部活を変えていた咲也にはお馴染みの返しだ。
「ううん。ずっとバスケ続けるよ!青春!」
「そうかそうか青春かー!」
悠にも「青春って感じ!」と言って続ける発言をしていたようだが…
わけがわからない。
楽しいから、とか自分に合ってたから、とかじゃないのか。
「しゅうは何か部活やってるのか?」
「柊也はね裏生徒会部って部活だよー!!」
「え?裏生徒会部?なんだそれ?」
「んー人助け?みたいな」
俺に対してした質問に次々と答えていく咲也。
「人助けか!しゅうにはぴったりな部活だな」
「だよねだよね!!」
全くそうは思わないが、「うんうん」と共感し合う2人。
どこがぴったりなんだか。
「それでね静音さんって部長さんがいるんだけど柊也に負けないくらいとってもいい人だよ」
「へぇ。しゅうの彼女だったり?」
「そうそう!」
「え。本当か!」
「ほんとほんっ」
「んなわけねぇだろ」
急に何を言い出すんだこいつは。
にやけた顔で見てくる親父もうざい。
こうして1年半分の近況報告は深夜まで続いた。