裏生徒会部


次の日の放課後。

静音と悠、そして央の弟を抜いた生徒会メンバーと、遊び人として有名なタラシの先輩が講堂に集まった。

悠は部活が休みになったらしく、帰ろうとしていた所を仁に捕まえられたらしい。

連れて来られたというより、自らついてきたようだ。

静音は教頭から飾りをもらったみたいだが、その飾りは思ったよりも少なく、補充のために雑貨屋へと出かけた。

帰ってくるのを待っている間、ひと眠りをしようと講堂を抜け出し部室へ来たのだが…

すぐに悠と仁に見つかってしまい、今に至る。


「柊也先輩、隙あらばすぐどっかに行く癖直しましょうよ。今日は俺と仁先輩がいるんでどう思っても不可能です」

「あいつが戻ってくるまで休憩しようとしてただけだろ」

「あわよくば、抜けている事に気づかれずそのまま飾り付けを逃れようと思ってたでしょ」

「思ってねぇよ…」

「いーえ。絶対思いましたよね」


そう疑いの眼差しを向けてくる悠。

まぁ少しはそう考えたが。


「とりあえずさっさと講堂戻るぞ」

「あいつが戻ってきたら連絡して。そしたら俺も行く」

「駄目です。今戻りますよ。絶対電話出ないと思いますし」

「お前、悠と俺から逃げ出せると思うなって。おら、い」

「せんぱーい!!ってあれ……」


俺も悠も仁も、そして部室に来た女も固まる。

理由はただ1つ。

仁が俺の襟を掴み、思いっきり引っ張っていた所にちょうど女が来たからだ。

表向きの仁は絶対にこんなことはしない。

そのため、女は困惑し固まっているのだろう。

きっと仁はどうこの場を切り抜けるのかを考え、それをどうフォローするかを悠は考えている。



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