裏生徒会部
仁は静音の経緯を教える。
「じゃあ、私もお手伝いしていいですか?」
「えっ…」
そう笑顔で言ってくる女に嫌とは言えず、困る仁。
手伝いが増えることはいいのだが、ずっと表のままでいるのが疲れるからだろう。
しかもさっきの状況から逃げたかったわけだし。
でもまぁ断る理由も浮かばないわけで…
「是非。手伝っていただけるなんて助かります。有難いです」
「いえいえ。静音先輩のためです!」
全く有難そうな顔はしていないが。
女は頭を下げ、自己紹介を始めた。
「私、1年9組の宮井柚希といいます」
9組って確か咲也も9組だったよな。
続けて仁も自己紹介をしようとしたが、宮井に遮られる。
「1年3組の白木悠くん、生徒会長の間仁先輩、裏生徒会部の一ノ瀬柊也先輩、ですよね」
仁は生徒会長だし知ってるだろう。
悠は同じ学年だからまぁ知ってるかもしれない。
だが何で俺は知られてるんだ?
どこかで会った覚えは全くないし。
「あ。それと、会長さん。いつも通りでいいですよ?知っているので」
「え?」
「さー講堂へ行きましょー♪」
俺ら3人は顔を合わせて首を傾げた。
今のは仁の裏を知っている、ってことだよな。
だからさっきの状況も動じなかったわけだ。
俺の名前を知ってたり、仁の裏を知ってたり…謎すぎる。