裏生徒会部


体育館へと着くと、すぐに咲也と目が合う。

ぱぁっと笑顔になり、駆け寄ってくる。


「柊也だー!何なに?どうしたの?バスケ?柊也もバスケしに来たの?」


用事がある、と言ってきた本人がどうして質問攻めなんだ。

しかもバスケをしにくるわけがない。

本当に自由な弟だ。


「お前が呼び出したんだろ。用事ってなんだよ」

「え?なんのこと?用事?」


こいつ自分で呼び出しといて忘れたのか。

実の弟ながら呆れる。


「携帯忘れて来たから宮井に頼んだんだろ。俺に用事があるから来いって」

「宮井って宮井柚希?」

「そう」

「えー?俺頼んでないよ?ていうか携帯忘れて来てないし。持ってるし」


そう言い、走って鞄のところへと向かう。

ごそごそとした後、携帯を持って戻ってきた。

間違いなく咲也の携帯だ。

変な猫のストラップ付いてるし。


「ね?持ってきてるでしょ」

「持ってきてるな」

「なにかの間違いじゃない?」


なにかの間違いで、あんなメールを送ってくるか?

しかも『携帯を忘れたみたいで』と書いてある。

これは嘘をついたってことだよな?

なんでそんな必要があるのか。

この前の栗原の件か…でも、それが宮井に関係はねぇよな。


「ねぇー柊也。どうしたの?難しそうな顔して」

「いや、なんでもない。じゃあな」

「え?帰るの?バスケは?」

「しない」

「えーっ!!」


とりあえず、部室に行ってからこの件は考えるか。



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