裏生徒会部

秘めた想い、潜む影



- 静音side -


歓迎会も終わり、少し忙しかった時期も過ぎた。

これで少しは落ち着いて依頼が出来る…なんて思っていたのもつかの間。


「よし、行くぞ。静音」


にっこりと笑顔で現れた生徒会長。

有無を言う暇も与えられず、強制連行される裏生徒会部部長。

私は生徒会でもなんでもない。ただの部活の部長だ。

なのにどうしてこうも生徒会の仕事を手伝わせられているのだろう。


「ごめん、柊也。頼んだわ」


柊也も有無を言えないまま、私に仕事を託される。

もし柊也がいなかったら、裏生徒会部は起動してないと思う。

生徒会室に着くと、待ってましたかのようにメンバー全員から出迎えられた。

どうやら私を連れて来る計画は前々から立てられていた様子。


「じゃあ早速始めるぞ。まず、千尋は職員室で先生と会議。奏十はそのサポートな。ゆいと央は2年の担任全員から判子かサインをもらってきてくれ」

「了解です」「了解」「わかりました!」「はーい」


仁に指示されるとすぐさま皆は支度をし、生徒会室を出て行った。

真ん中にどどんと配置されている会長の椅子を引くと、手招きをする。

近づくと、座らせられ、ペンを持たされた。

机の上には同じ大きさの紙が何十枚も置かれている。


「お前の仕事な。ちゃんとこのリスト通りに書けよ」


渡されたリストには『 2-1 A~F班各5枚 ★班1枚 』のように全組書かれている。

どうやら私の仕事はこのリスト通りに紙にアルファベットを書き、四つ折りにして行くようだ。


「俺はこっちでこれを作ってるから、何かわからないことがあれば聞け」


そう言い、床に座ると何やら白い段ボールを組み立て、四角い箱を作り始めた。

とりあえず、やっていくしかない。


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