裏生徒会部

次の日の昼休み。

私は図書室へと向かった。


「こんにちは、悠くん」

「静音先輩。こんにちは」


梯子を登ってある、人ひとりが通れるくらいの場所。

悠くんは大体ここで本を読んだりしている。

どうやらこの狭さがちょうどよく、お気に入りらしい。

確かになんだか落ち着く。


「俺になにか用事でも？」

「用事ってわけじゃないけど、私も本読もうかなと思って」

「わざわざ俺の隣で？」

「え、うん。ごめんね邪魔だったなら…」

「いやいやいや！邪魔なわけないじゃないですか。むしろ嬉しいですよ」


笑顔で応えてくれる悠くん。

本当、優しくていい子だなぁ。たまにからかうのは除いて。


「悠くんは何読んでるの？」

「柊也先輩に貸してもらったやつですよ」

「柊也に？」


表紙を見せてくれる。

あ…これ。本屋さんにあったやつだ。感動の話題作っていう。

鈴菜も読んでいた気がする。

恋愛系だった気がするんだけど…柊也がこれを持ってるのが失礼だけどもの凄く意外すぎる。


「あー、柊也先輩は凌久さんに貰ったみたいですよ」

「なるほど。凌久くんからの貰いものね」


それなら納得だ。

悠くんは残りのページを全て読み終わると、本を閉じた。