裏生徒会部
柚希ちゃんの後をついて行き、ついた場所。
そこには大きなお屋敷がそびえ立っていた。
大きな木の板にはゲンゾーカラクリ屋敷と書かれている。
昔、源造さんという方が作った有名なカラクリ屋敷だ。
大人から子供まで楽しめるような仕掛けがたくさんある。
私も一度、ここに来て遊んだことがある。
源造さんが亡くなられてからはもう営業は終わっているはずなんだけど…
「柚希ちゃんのお家って…」
「えーと。実際暮らしているのはもう少し向こう側なんですけど、よくここに来てるんです」
「ここに来てるって?」
「源造さんって私のおじいちゃんなんですよ」
「えっそうなの!?」
それはびっくりだ。
さすが月桜…生徒数が多い分、色々と凄い人が通ってる。
柚希ちゃんは正面の大きな扉からは入らず、そこを曲がり裏側へとやってきた。
鍵を開け、入るとそこはとても小さな空間で目の前には梯子があるだけだ。
上を見上げるが、真っ暗で先が見えない。
梯子の後側の壁をコンコンコンッと3回叩く。
「わぁっ!」
すると上に灯りがついた。
灯りのあるところでちょうど梯子が終わっている。
「ちょっと大変ですけど、ここから入るのが一番早くて一番安全なので」
柚希ちゃんはどんどん梯子を上って行く。
私も後を追って、梯子を登った。