裏生徒会部


一番上まで着くと、灯りのついた電球をくるくると回す。

そして、天井だと思っていたところを柚希ちゃんが押し上げると開いた。


「す、凄い…」


開いた天井から入り、着いた場所は少し広めの部屋。

画面が何十台もあり、その周りには機械もある。

そして奥にはピンク色の絨毯が敷かれた空間があり、テーブルやクッションが置かれている。


「ここはこのカラクリ屋敷の管理室なんです。その画面から色んなところに設置してあるカラクリ屋敷内のカメラの映像が見れるんですよ」


軽くテーブルを拭き、「どうぞ」と座らせてくれた。

どうやらここはカラクリ屋敷の3階の一部の部屋らしい。

1階と2階はカラクリが色んなところに仕掛けられている。

その為、正面の扉からここまでくるのはそうとう大変みたいだ。

あの裏口を知っているのは源造さんと柚希ちゃんだけらしい。


「それで、柚希ちゃん。お願いっていうのは?」

「あ、はい。その前に少しゆっくりしませんか?美味しい紅茶があるんですよ~。先輩は紅茶とか大丈夫ですか?」

「うん。大丈夫だよ」

「良かったです。淹れてくるので少し待っててくださいね♪」


鞄を置き、柚希ちゃんは部屋を出ていった。

ふと床を見ると、『ゲンゾーカラクリ屋敷で遊ぼう!』と描かれたパンフレットがあった。

懐かしい…昔来た時にあったパンフレットな気がする。

見てみると、大まかにカラクリ屋敷の説明が書かれていた。

1階は子供が遊べるくらいの簡単な仕掛け。

2階は大人が遊べるくらいの凝った仕掛けがあるようだ。

そしてその説明の下には『3階はカイゾー中 お楽しみに☆』と書いてある。

3階にも仕掛けがあるのだろうか。

…柚希ちゃん出て行ったけど大丈夫かな。



< 515 / 739 >

この作品をシェア

pagetop