裏生徒会部
深夜1時半…携帯と懐中電灯と置かれていた手紙。
それをポケットへとしまい、家を出る。
月桜へと向かっていると、よく見る後ろ姿を見つけた。
「悠…?」
悠はちょうど家を出て、俺と同じ方向へ歩いている。
こんな夜中にどこに行く気だ?
方向的には月桜だが、それ以外の場所の可能性もある。
なんとなく、声は掛けずに、俺も同じ方向へと歩いた。
月桜の校門前まで来ると、立ち止まり、携帯を見たかと思いきや、すぐにしまった。
どうやら時間を見たようだ。
そのまま壁に寄りかかり、学校を見ている。
「悠、何してるんだ?」
びくっと驚き、此方を振り向く。
俺の顔を見ると、安心したように笑った。
「なんだ柊也先輩ですか。柊也先輩こそ、ここで何を?」
「いや……悠こそ、こんな夜中になんで学校に来てるんだよ」
「いやいや、柊也先輩こそでしょ」
そして互いに沈黙する。
悠は何かを隠しているに違いない。
俺の質問には答えず、質問返しをするなんて怪しすぎる。
「おい、お前ら何やってるんだ?」
聞きなれた声がし、そちらへと顔を向けると、腕組みをした仁が立っていた。
俺と悠は顔を見合わせ、また仁の方へと向く。
「仁こそなんでここに?」「仁先輩こそなんでここにいるんです?」
「お前ら先に俺の質問に答えろよ」
悠も俺も口籠る。