裏生徒会部
いつきは何も答えず、黙ったまま一をおろした。
「おい感動しそうだったのにお前ら揃ってバカってなんだ…!!」
やはりそこが気に食わなかったのか、真っ先に怒る。
そんな一を無視し、また此方へと戻ってくるいつき。
「では、若の友人…そして俺の友人でもある皆さんも無事に帰ってもらわなければいけませんね」
そう呟くと、俺達よりも前に立つと、振り返った。
「俺が先に行くので、3メートル程間をあけてからついて来て下さい。
あと、俺が踏んだところと全く同じところを通ってくださいね。
もし俺が仕掛けを踏んでしまった場合はすぐに声を掛けますので、その場から動かないこと。いいですね?」
「いつき…!!オッケーだ!」
「はい!」
「おう」
「わかった」
さっきの矢といい、すぐに気付いてくれるいつきがいないと困る。
一緒に来てくれることになって良かった。
いつき、俺、仁、一、悠の順で進むことになった。
「一、ここだからな。瞬きせずそこ見とけ。そして俺が次に行ったらすぐに進め。いいな?」
「お、おー…」
「一先輩、右足出さないと駄目ですよ」
「お、おお……」
仁と悠に挟まれた一は手厳しく踏む場所を指示される。
今まで散々仕掛けを作動させた一は本当に危なっかしい。
「…あ。皆さん止まって下さい!!」
「おわっ!?」
「一!!」「一先輩!!」
急にストップがかかり、バランスを崩し、転びそうになった一を仁は支え、悠は服をひっぱり止める。