裏生徒会部
俺は指示された通り、進まずに前にいるいつきの様子を窺った。
仕掛けが作動したのか…?
まだ何も変わった様子はないが。
しばらくすると、いつきは首を傾げ「やっぱり大丈夫です」と声を掛けた。
そしてまた進みだす。
「いつき。何かあったのか?」
「何か見られているような…そんな気がしまして。一ノ瀬さんは何か感じられましたか?」
「何も?」
「そうですか」
特に何か視線とか感じた気はしない。
というか周りよりもすぐ後ろの3人のほうが気にかかるのが事実。
さっきから会話…というか注意が絶えない。
なんとか仕掛けも作動せず、3階へと続いているであろう階段を発見。
そういや時間を見るのを忘れていたが今何時…
「な、なんだ…あれ…」
「え、どれですか?一先輩」
「あれだって!」
時計を見ようと携帯を取り出した瞬間、一が騒ぎ出す。
皆、一の指差した方向へと目線を向けると三階の奥から何かの陰が見える。
カタカタという音と共に次第に近付いてきているようだ。
そしてその音が止まったと同時に姿を現した。
「えっと…人か……?」
「人っぽいですけど変な音してませんでした?」
「あれ人じゃねぇだろ多分」
人間の形をしているがどうも違うようだ。
それが2体、階段から俺達を見下ろすように立っている。