裏生徒会部


しばらく見合っていると、突如としてその2体は階段を滑り降りてきた。

それはもう物凄いスピードで、俺達のところへと突っ込んでくる。


「皆さん避けてください!!」


いつきと俺は右へ、仁と一と悠は左へと避ける。

すると1体は右を向き、もう1体は左を向いた。

腕が上半身の中へとすっぽりと入ったかと思えば、すぐに出てきた。

手には小刀のような物を握っている。


「なんだよこれ…」

「カラクリ人形…というやつですかね?どうやらこれが最後の仕掛けのようです」


カラクリ人形は腕を上げ、また俺達の方へと突っ込んでくる。

これ殺される感じなんじゃ…!?


「一ノ瀬さんとりあえず逃げましょう!!」

「あ、ああ…」

『うわああああ!!?なんだこれええええ!!?』

『俺ら狙われてますよね!?』

『明らかに追ってきてるな』


どうやら仁達も襲われているようで、逃げ回っている。

つーか幼い頃にカラクリ屋敷には来たことがある気がするが、こんなもんあったか?

いや、あったらおかしいよな普通に。


「若達を助ける前にこっちをなんとかしないといけませんね」

「なんとかってどうするんだ?」

「あの小刀を受け止められるような武器が俺にもあれば戦えるんですけど…」

「え。戦えるのかいつき…」

「えぇ、まぁ。幼い頃から習っていますので」


さすが王子の側近…なんか世界が違う。

小刀を受け止めれるような武器ってまぁ剣とか、か?

そんなもん勿論持ってもいないし、こんな身近に落ちているわけもないしな…。



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