裏生徒会部
『仁先輩なんとかしてくださいよー!!』
『なんとかって俺に頼むな。どう思っても無理だ』
『これがカラクリ人形ってやつか…すげー……!!』
『何こんな状況で感動してるんですか一先輩!!っていうかなんでこんなバトルものになってるんですかおかしいー!!』
向こうも為す術がなく、ぐるぐると逃げ回っている。
スッと何かが顔のすぐそばを通り抜けると、それは先の床に刺さった。
「一ノ瀬さん!!大丈夫ですか!?」
「あ、ああ…大丈夫。かすってもないから」
後ろを少し振り向くと先程まで両手にもっていた小刀の片方がない。
床に刺さった小刀は間違いなくカラクリ人形が投げて来た物だ。
…危ねぇ。
そして次はいつきの方向へともう片方の小刀は投げられる。
「いつき!」
いつきは振り返り、見事にその小刀の柄を顔の前でキャッチした。
どういう身体能力をしているんだ。
カラクリ人形よりもいつきの方が恐ろしく感じる。
先程、投げられ床に刺さっていた小刀を抜き取る。
「さて、次はこちらの番ですね」
カラクリ人形の手にはもう小刀はない。
いつきはカラクリ人形の方へと真っ先に走っていき、脚で蹴りを入れようとしたが、すぐにやめた。
カラクリ人形はまた上半身へと腕を入れると、また小刀を手に持ち出したのだ。
そして、小刀と小刀は交り合う。
今、俺の目の前で起きているのはなんなのだろうか…
明らかに漫画じみている光景だ。
とりあえずいつきの援護かあいつらを助けるかしないと。
ふと、仁達の方を見るととてもやばい状況だった。
端へと追いやられ、絶体絶命だ。
「仁!悠!一!」
『柊也先輩いいい助けて下さいいい!!!』
そう悠の叫び声が聞こえる。
走って向うが、カラクリ人形の手はもう上に挙げられている。
これじゃ間にあわねぇ…!!