裏生徒会部
3階への階段を上り、片っ端から部屋のドアを開けていく。
1番手前の部屋は誰もいない。
2番…3番……
「「「静音!」」」「静音先輩!」
「浅井さん!」「静音様!」
「皆!?」
4番目のドアを開けるとそこには手足を縛られ、座り込んでいる静音。
そして静音の近くには宮井が立っていた。
「驚きました。本当にここまで来れるとは…」
「柚希?なんでお前がここにいるんだ?つーか静音はなんでそんな状態に!?」
一の問いかけに、クスリと笑う宮井。
静音がこんな状況でいて、宮井が立っている理由。
それはもう1つしかない。
下駄箱に手紙を置き、俺達を学校へと呼び出し、問題を解かせ、返事をして来たのも…
このカラクリ屋敷にまで来させ、仕掛けを仕組んだのも…
全部の犯人は宮井だからだ。
「ここまで来れたことは見直します。ですが、残念ながらゲームオーバーですね。来るのにかかった時間は32分…制限時間の30分は過ぎました」
「たった2分しか違わねーだろ!」
「何分だろうが時間は時間です。それに、部外者が2名ほどいますしね。1人でくること、誰かに漏らしてはいけない、と言ったはずです」
宮井はこちらへと身体を向ける。
手には何かのリモコンのような物を持っている。
そのボタンを押すとすぐに、上から網が落ちてきた。
「おわっ!?」
「なんですか急に!?」
次にまた聞き覚えのあるカタカタという音が聞こえてきた。
そしてその音の持ち主は一番後ろにいたいつきとメイドを後ろから取り押さえる。
そのままどこかへと引きずり、連れて行く。
「いつき!!ナギ!!」
「若、必ず助けに行くので待っていてください!」
「柊也様、私もすぐに行きますが、静音様を頼みます」
頼まれたが、俺も悠も仁も一も網の中。
どうも動けないのが現状だ。