裏生徒会部
想うが故に
- 静音side -
「………ん…?」
目を覚ますと、真っ暗な部屋に画面からぼんやりと光る明かりが見えた。
カラクリ屋敷に来て、案内された部屋だ。
私、いつの間に寝ちゃってたんだろう…。
身体を起こそうとするが、すぐに違和感を感じた。
手は後ろに回され、手首を手錠のようなもので固定されている様子。
足首も同じようにされている。
どうしてこんなことに…というか柚希ちゃんは!?
なんとか上半身を起こし、部屋を見渡してみるが柚希ちゃんの姿はない。
「柚希ちゃんいる!?」
声を掛けてみるも、返事もない。
前みたいにまた私は誰かに攫われたのだろうか。
いや、でも場所はカラクリ屋敷の部屋だから攫われた…とは言えない。
寝てしまった前のことを思い出そう。
柚希ちゃんの依頼でこのカラクリ屋敷まで来た。
その後は…そうだ。
柚希ちゃんが淹れてくれた紅茶を飲んで…その後の記憶がない。
ということは紅茶を飲んですぐに寝てしまったってこと…?
ガチャッとドアの開く音がし、私は自然に身構えた。
「…ふぅ。まさか2階まで来るとは思わなかったなぁ……まぁあとは軽く脅せばどうせ逃げるよね……」
そう何か独り言を言いながら入ってきた柚希ちゃん。
私のように拘束されている様子は全くない。