裏生徒会部
「貴方達はいつの間にか、当たり前のように先輩の傍にいるようになりました。
私にとっては凄く羨ましくて、妬むこともありました…」
どうして私なんかの傍にいることが羨ましい、と思うんだろう。
柚希ちゃんとは入学式の時にほんとに少し会話をしただけ。
それに名前すら聞いていなかったぐらいだ。
「でも、いっちー先輩も白木くんも生徒会長さんも先輩を助けてくれることがたくさんあって、いい人達だから先輩にとっては必要な人だと思ったんです。
だから私は貴方達のことを妬む事はなくなりました」
やっぱりどう聞いても柚希ちゃんは私のことを想ってくれているのがわかる。
でも、そう想ってくれる理由が見当たらない。
「ですが、やはりそれは私の勘違いだったようです。貴方達は先輩を傷つけ…泣かせましたね」
私が柊也と悠くんと仁と一くんに傷つけられて、泣かされたってこと?
確かに若干傷つくこともないわけではないけど、そんな深刻になる程ではないし。
それに泣いた覚えはないんだけどなぁ…。
「柊也先輩や仁先輩はあるかもしれないですけど、俺は静音先輩を泣かせたりした覚えはないですね」
「おい待て悠。俺だってねぇよ、静音をコキ使うが泣かせるようなことはしてねぇぞ」
「いや仁先輩…その言い方じゃ説得力がないんですけど」
「しらばっくれても無駄です。証拠だってありますから」
そうしていつも腰から下げているポーチからカメラを取り出した。
「まずは生徒会長さん。貴方は先週の木曜日に先輩に無理矢理キスをしましたね…!!」
「は?」
「バッチリ証拠もあります。私が行った時には事をなしている途中でしたので、録画も途中からですが…」
カメラをいじり、スイッチを押すと画面を掴まっている皆の方へと見せた。
紛れもなく私と仁の声が聞こえる。
『っと待って仁…!初めてだから…!!』
『すぐ終わるっての。じっとしとけ』
『うっ…………もう強引…』
動画も流れているようだが、私からは見えない為、よくわからない。
「どうですか?これで言い逃れはできませんよね。先輩の大事な唇を強引に奪ったあげく、泣かせるなんて…!!」
「仁先輩…まじですか……」
「仁てめーよくも静音を!!俺様だってまだしてねーのに!!」
ぽかんとした表情の仁を悠くんと一くんはじっと見る。