裏生徒会部


要くんは腕を組み、むっとした表情になる。


「で、どうしてあんなまねを?」

「えっ……と…。それは………」

「言えないこと?」

「…………」


俯く柚希ちゃん。

要くんはしゃがみ込み、見上げるように柚希ちゃんの顔を窺う。


「あのさ、何があったのかは知らないけど、君のこと何も知らない俺が言うのもおかしいって思うかもしれないけど……絶対もうあんなまねしちゃ駄目だから」

「……………」

「君は死んでもいい、って思ってるかもしれないけど、君が死んだら悲しむ人がいる…そのこと考えてる?わかってる?」

「………!!……わからない…です。いませんから…そんな悲しむ人……なんて…もう…」


突然にぎゅっと強く手を握り締められる。

痛いくらい強く、両手で握られる。


「いるよ、ここに。私は悲しいよ。凄く悲しい」


目に涙を溜めて、柚希ちゃんの手を強く握りしめたままそう言った。

握りしめたぐらい強い言葉で。



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