裏生徒会部


徐々に詰め寄ってくる仁。

柚希ちゃんは机をぐるっと回り、部室のドアへと向かう。


「先輩また後で来ます!」

「待て宮井!!」

「待つわけなっ…わっ!?」


部室を出ようとした瞬間、現れた柊也にぶつかる。

後ろに仁が迫ってきていた為、すぐさま柊也の後ろに隠れた。


「おい、柊也。宮井を捕まえろ」

「いっちー先輩は優しいのでそんなことしませーん。ね、いっちー先輩…ってえ?」


手首を掴み、後ろに隠れた柚希ちゃんを前へと引っ張り出す。

そしてすぐに両腕を捉え、確保した。

柚希ちゃんは予想外だったようで、目をパチパチとさせている。


「あの…いっちー先輩……?」

「眠い」

「え?」

「お前のせいで眠い」


睡眠時間が全然なかった為、やはり不機嫌な様子。

仁はにっこりと黒い笑みを浮かべた。


「さ、行こうか。宮井」

「せ、せんぱぁいいい……」


私は黙ったまま、首を横に振る。

もうこれは私は助けられない。頑張れ柚希ちゃん…。


「柊也もそのまま来い。チョコやるから宮井の監視を頼みたい」

「わかった」


先程の不機嫌オーラはどこにいったのか。

「チョコ」という魔法のワードを聞き、素直に仁のあとをついて行った。

…となると今日の依頼も私1人かな。



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