裏生徒会部


まぁ、私としては大変でもそれが誰かにとって助けになっているのなら別に構わないんだけど。


「あとまさか一先輩から求婚されてたとは。宮井にまで告白されてますし」

「いやー…それは……」


一くんからのプロポーズみたいなものは一応ノーカウントのつもり。

とりあえずは友達からとして収まっている。

そして柚希ちゃんは正直驚いた。

同性の子から恋愛感情を抱かれ、告白されたのは初めてだからだ。

柚希ちゃんは「先輩は気にしなくてもいいですよ」と言っていたけれど、そんなわけにもいかない気がする。

一くんも柚希ちゃんもきちんと考えて答えを出して、それを伝えないと。

…やっぱり恋愛って難しい。


「悠くんはどうなの?好きな人とか…」

「えっ俺ですか?」


私より断然モテているであろう。

そういえば歩香ちゃんは告白して「好きな人がいるから」と振られたって言ってたよね。

悠くんの好きな人って誰だろう。結構気になる。


「俺はまぁ…好きな人はいますけど」

「彼女?」

「いや、告白すらしてませんし……気になります?」

「ならないと言えば嘘になるけど、無理に聞く気はないよ」


悠くんは一度目線を逸らし、何かを考えているのか黙り込んだ。

しばらくすると、また目線を戻す。


「じゃ、静音先輩には特別にヒントをあげます。どんな感じのヒントがいいですかねー」

「えっとじゃあ…月桜の人?」

「はい、そうですよ。ってかそれヒントになりますかね?月桜って人数多いのに」


そう言いながら悠くんは笑う。

確かに月桜ってだけじゃ全く絞れていない。



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