裏生徒会部


悠くんはお茶を一口飲み、咳払いをした。


「もう大ヒントをあげちゃいますね」

「えっ本当に?いいの?」

「いいですよ。静音先輩ですから特別です」


まさかの大ヒントをくれるらしい。

まぁ、月桜の全生徒のことを知っているわけではないから、私が知っている人かはわからないけど。


「その人、凄くしっかりしててたくさんの人に頼られる感じなんですけど…実は抜けているところがあったり。
なんにでも真っすぐにぶつかっていくもんだから心配になるんですよねー」

「うん。うん」

「あー…あとからかうと面白いですね」


悠くん好きな子をからかうタイプなんだ…。

なんとなく納得する。

よく柊也や吉野くんを楽しそうにからかっているし。


「で、わかりました?」

「ええっ?うーん……」


考えて見るが、ぱっと思い浮かぶ人がいない。

折角、大ヒントをもらったけど…私の知らない人なのかも。


「残念ながらわからないかも」

「えーわからないんですか」

「うん…」

「おかしいな。結構そのまま言ったんですけどね…。じゃ、最後の大大ヒントですよ」


大大ヒントまでくれるとは…

ってことは私の知っている人前提ってことかな。

次こそは当てたいところ。


「大大ヒントは……今、俺の目の前にいる人です」

「悠くんの目の前にいる人…………え…?」



< 577 / 739 >

この作品をシェア

pagetop