裏生徒会部
後ろを振り向いて見ても、勿論誰もいるわけがない。
また前へと向くと、微笑んでいる悠くんの顔。
「えぇっと…つまりは……」
「俺の好きな人は静音先輩です」
「ほ、本当に…?」
「はい、勿論。本当ですよ。俺は静音先輩が好きです」
予想もしていなかった答えに驚く。
いつもなら「冗談ですよー」とからかい笑う悠くんだけど、冗談ではないようで。
ただ真っすぐ私を見て微笑んでいるだけ。
「あの…悠くん。えーっと……有難う」
「はい」
「それで…えー……と…」
なんて答えればいいんだろうか。
悠くんに「好き」と言われたのは正直嬉しい。
でも、その嬉しいの感情は私も悠くんのことが恋愛感情として好きで両想いだから、とかではない気がする。
だって私の好きな人は……あれ…?
「静音先輩。そんなすぐに答えを出そうとしなくていいですよ。むしろゆっくり考えてください」
「う、うん」
「本当はもう少し様子を見たかったんですけど…一先輩とか宮井に先越されてしまうとは思わなくて…」
「ちょっと予定を早めて見ました」と付け加え、笑う悠くん。