裏生徒会部
一くんも柚希ちゃんも悠くんも伝えてくれたんだから、私も返さないと。
返さないと…とわかってはいるんだけど…
やっぱり私にはすぐに出すことは難しい。
「静音先輩、気遣いとかはいらないですからね。素直に自分の思ったことだけでいいんですよ」
「う、うん。頑張ってみる…」
「はははっ。頑張って下さい。あと、今まで通りに接してくださいね」
「うん、わかった」
「んー…それにしても柊也先輩遅いですね?」
悠くんは携帯を取り出し、何かに気づいたようで操作を始める。
しばらくすると、鞄を持ち、立ちあがった。
「柊也先輩、どうやら帰ったみたいです。折角、俺待ってたのにー」
「え、本当?なんかごめんね。私が帰ってくると思うって言ったから」
「いやいや、静音先輩のせいじゃないんで。あ、そうだ。静音先輩、一緒に帰りましょう」
「いいけど、悠くんの家は真逆だし…」
私の家は月桜から東方向。悠くんの家は西方向。
一緒に帰るのは難しい。
「俺が静音先輩送ってその後帰るんで」
「えぇっそれ大変だよね」
「運動がてらなんで大丈夫ですよ。じゃ、着替えてくるんで校門で待っててください」
急ぎ足で悠くんは部室を出て行った。
私も片づけをしたら校門に行こう。
「素直に自分の思ったこと、か…」