裏生徒会部
Mission★8
準備は万全に
- 静音side -
「それでは始めたいと思います」
集会後、2年生は全員そのまま残された。
季節は12月。
待ちに待った修学旅行の行き先を決めている。
決めている、というのはその言葉通り。行き先はまだ決まっていない。
「ダーツを投げるのは本来、学園長先生でしたが、不在の為、代わりに僕が投げさせていただきます」
月桜学園式、修学旅行の行き先の決め方。
ある程度は絞られているが、国の書かれているルーレットを回し、ダーツを投げ、その当たった場所が行き先となる。
そんな決め方も驚きなのだが、一番の驚きは修学旅行費だ。
遠くても近くても…近いといえばここ日本。日本でもどこでも金額は同じ。
つまり、遠いほどお得ということ。
「アメリカアメリカアメリカアメリカ……」
「茜、うるさい」
「アメリカアメリカアメリカアメリカ……」
「聞いてないし…」
先程から隣でアメリカと繰り返し呟いている茜。
理由はわからないが、どうしてもアメリカに行きたいらしい。
「無駄だよ茜ちゃん。行き先は日本だから」
「アメリカアメリカアメリカッ……」
「どうして日本?」
「占ったら日本になったんだ~」
茜の願い通りになるか、鈴菜の占いが当たるかどうかは仁の腕にかかっている。
ルーレットが回され、目隠しをした仁が投げる。
命中し、ゆっくりと回転していたルーレットが止まった。
奏十がルーレット台を私達の方へと向ける。
「…行き先は……日本です」
日本。
鈴菜の占いはやっぱり凄い。本当に日本になった。
「ほらね~♪」
「アメリカああぁぁ………」
「どんまい、茜」
これでまた鈴菜の占いの凄さを思い知らされた。