裏生徒会部


私は1組だからあと来ていないのは2組の人。

この生徒会メンバーだけで十分なくらい濃いのに、また濃い人が来たらどうしよう。

2組は誰がいたっけ…


『だーかーらー大丈夫だって!!お前は違う班だろ。さっさと教室に戻れ』

『そういうわけにはいきません。若を1人にできるわけがないじゃないですか。どのような方々なのかをちゃんと見ておかないと…』

『誰であろうがお前と一緒じゃないことには変わりねーからさっさと戻れって』


ドアのガラス越しにうっすらと2人の陰が見える。

声からするに、私の思い浮かんでいる2人で間違いなさそう。

…となると、更にメンバーは濃くなる。

ドアが開き、入って来たのはやはり、一くんといつきくんだった。


「ん!?静音!?ここにいるっつーことはあれか!?修学旅行の班が一緒なのか!?」


なんとも嬉しそうな顔で駆け寄ってくる。


「って仁も一緒か!」

「まさかバ…一も一緒とはな」

「おい、今のバってなんだ。バって」


後ろから来たいつきくんはまじまじと央と奏十の顔を見ている。

それに気づいたのか奏十は少し困った様子。

央は相変わらずにこにことしているが。


「あぁ…もしや副会長さんと書記の方ですか?」

「そうだよー。えーと君が噂の王子くん?」

「いえ。俺ではなく、こちらが王子です」


そして手を一くんに向ける。

「えっへん」とでも言うような顔をする一くんを見て央は笑った。


「うっそだー」

「嘘じゃねー俺様が王子だ。なんで皆していつきを王子って思うんだ…?」


どうやら初対面の人は皆、いつきくんを王子だと思うらしい。

私もその内の1人だったし…。



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