裏生徒会部


点呼には間に合わなかったが、出発にはどうにか間にあった。

先生には怒られたけど…。

どうやらもう班で集まっている様子。

茜と鈴菜と別れ、央と奏十の方へと向かった。


「静音ちゃん、おはよ。珍しいね、遅刻なんて」

「まぁ…色々あって。あれ?仁と一くんは?」

「仁ならあそこにいるよ」


央の指を差した方に目を向けると、女子に囲まれた仁の姿が見えた。

にこにこと私達の前では見せることのないであろう笑顔で。


『間くん、2日目は私達の班と一緒に行動しない?』

『何言ってるの?間くんと一緒に行動するのはあたし達の班よ』

『じゃ、3日目は私達の班と!!』


なんとも大変そうだ。

1日目と4日目は班でいるとはいえ、全体行動。

2日目と3日目は班で自由行動だからその日を狙って仁を誘う子達が多いようだ。


「で、一くんは?」

「若?俺は見てないなぁ。奏十、若知らない?」

「さぁ。俺も如月は見てない」


眠そうに欠伸をする奏十。

誰も一くんを見てないってどこに行ったんだろう一くん。

もうすぐ京都組も出発すると思うんだけど。



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