裏生徒会部


そしてそのまま修学旅行当日を迎えた。

北海道組の集合場所は校門。

そして京都組はここ第3グラウンド。

その為、バレないようにギリギリまで校門で一緒にいて、先程こっそりと抜け出してきたらしい。

だからキョロキョロ警戒してたんだ。


「てなわけだ。俺様は遅刻なんてしてないぞ」

「絶対バレるから後で怒られると思うよ?」

「行ければ怒られたっていい。もう慣れてるからな!」


と言った瞬間、一くんの肩にポンッと誰かの手が置かれた。

目線を少し上にあげ、その手の主を見る。

あ…


「どういうことでしょう?若」

「えっ…」


恐る恐る後ろを振り返る一くん。

後ろにいたのは勿論…いつきくんだ。

一くんはすかさず素早い動きで、奏十の後へと逃げ込んだ。


「おいおい、俺を盾にするなよ。怒られるのには慣れてるんだろ?」

「い、いや、今捕まると確実に北海道に連れて行かれる!!」

「えぇ。全くその通りです」


一くんに向かって伸びていく手は、また誰かによって掴まれた。

そして片方だけではなく両腕をがっしり掴まえられる。



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