裏生徒会部
多分、いつきくんと同じ班の人達なのだろう。
半端、無理矢理いつきくんを引っ張る。
「いつきくん見つけたー!!急にいなくなっちゃうんだからびっくりしたよー」
「もう出発するから早く行くよ!!」
「えっ…ちょっと待って下さい!若が…」
「待てなーい」「行くよ」
「じゃーなー、いつきー」
連行されるいつきくんを見て、笑顔で手を振る一くん。
絶対後で怒られるよ。
「俺らもバスに乗ろっか」
「そうだね…ってあれ?」
「どうしたの?」
時間を見ようとポケットに手を入れる。
いつもポケットに入れているはずの携帯がない。
反対側のポケットにも手を入れてみるが、なにもない。
そしてここに来るまでのことを振り返る。
茜の家で準備を手伝っている時は触っていない…そして家を出る前に……
そうだ!充電してたんだ!
急いでたから携帯のこと忘れてバックだけ持って来てしまった。
「携帯忘れた」
「えーっ。もう取りに帰る時間ないよ?」
「うん…だよね。まぁ、しょうがないか…」
修学旅行だし、そんなに使うことないよね多分。
こうして、なんだか先の思いやられる修学旅行が始まった。