裏生徒会部


段ボールの中にはたくさんの小さめの風船とスポイトのような物。

500mlの水の入ったペットボトル。

腰から下げるバック。

そして紐の通された薄い紙がある。

咲はスポイトに水を入れ、それを風船に差しこみ、器用に水風船を作り上げた。


「最初に持てる分は作っといて…と。で、紙は…んー…柊也くんが持ってた方がいいよね」


そう言って、紐のついた紙を俺の首から下げた。

今から行われようとしている事が嫌な予感しかしない。


「よーし。いいかー始めるぞ。全員散らばれー。俺が合図したらスタートだからな。で、1時間後が終了だ。アラームしとけよー」


メガホンを持った岸本がそう指示すると、不良達は一斉にどこかへと走って行った。


「柊也くん、行こう。あたし達狙われやすいから隠れる場所探さないと。はい、これ持って」


水風船を両手に持たされると、また強引に手を引かれ、引っ張られる。


『じゃ、行くぞー。よーい、スタート!!』



< 607 / 739 >

この作品をシェア

pagetop