裏生徒会部


年に2度ほど、投げ合い大会というものをここの不良達は行っているらしい。

夏は水風船。冬は雪玉。

で、この首から下げられた紙は濡れると、徐々に縮まっていくようで…

終了時間までにより長く残っていたペアの勝ち、と。

通りで紙が細長いわけだ。

そして、勝ったペアは参加している皆にお願いをし、叶えてもらえるみたいだ。

今は12月。季節は勿論冬で、いつもなら雪合戦なのだが…

思ったより雪が積もっていない為、水風船で決行したそうだ。

こんな真冬に水風船投げ合うなんてバカなんじゃないだろうか。


「この紙持ってる方が狙われるってことだよな…お前が持てよ」

「やだやだ。寒いし」

「俺だって嫌に決まってんだろ」

「ただでさえ私はその紙を持ってなくても狙われるんだよ!?」

「なんで?」

「なんでって濡れるから。透けるでしょ?制服」

「……あー」

「あの変態共め…」


咲はバックから風船を取り出し、せっせと水風船を作り始める。

腰にはバックとパーカーを巻いている。


「そのパーカー着ろよ」

「だって水に濡れたら重いし、気持ち悪いし、動きにくくなるじゃん」


しょうがない…俺が持っておくか。



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