裏生徒会部
次の日。また修学旅行の班で計画を立てることとなった。
今日は自由行動の時間にどこに行くかを決める。
それにしても今日はいつも以上に寒く感じる。
おそらく、昨日の水風船の投げ合いに付き合わされたせいだ。
あの後、咲は下にいた連中に容赦なくストックしていた水風船を投げた。
すぐに場所を特定され、逃げようとしたのだが向こうのほうが人数が多く、囲まれ、俺達も容赦なくやられたのだ。
風邪引きそう。
「よーし、じゃあ行きたいところ言っていこうよ。私は水族館に行きたいな」
「あっ!えみもえみも~!小さい頃に1度行ったことあるんだけど、また行きたいって思ってたんだよねぇ♪」
「ウチはあそこかな。あのー鳥居がたくさんあるとこ。テレビでやってた」
「あぁー!わかる!えみもあそこに行ってみたーい!」
「ゆっきー、私らどんどん出して行くからちゃんとメモしてよねー任せたよ」
「え、あ、うん。任せて」
そうにっこりと笑顔で返事をする。
そして3人が行きたいところを黙って紙に書いていく星野。
しばらくすると、吉川が此方を向いた。
「ねぇねぇ、柊也くんは?どこか行きたいとこないの?」
「俺は特にない」
「えぇ~?1つくらいないの?」
「星野は?」
「えっ…あ、あたし…?」
急に俺に話を振られて驚いたのか、固まる。
先程まで話していた中村と山上も話を止め、星野へと目を向けた。
星野は下を向き、ペンを置く。
そして手をパンッと叩き、笑顔で顔を上げた。
「あたしは皆が行きたいところでいいな。っていうか、折角えみちゃんが聞いてくれてるんだから1つくらい出そうよ一ノ瀬くん」
「そうだよー柊也くん。1つぐらいあるでしょー」
会話を止め、星野を見ていた中村と山上もまた会話を始めている。
足に何かが当たり、下を見ると、星野の手があった。
その手の上には紙が乗せてあり、『余計な事を言わないで』と書かれている。
余計な事、な。