裏生徒会部
教室を出て、辺りを見渡すが宮井の姿はない。
嵐や稜香もいない。
ネクタイを見る限り、2年ばかりだが、1人だけ1年の女子が壁に背を預けていた。
俺に気付くと、真っ直ぐ立ち、目の前へとやってくる。
「一ノ瀬さん、こんにちは」
俺の目の前にやって来たのは、1、2ヶ月前頃に保健室へと連れて行った奴だった。
静音を家まで送ってる時にもたまたま会ったが、それ以来は話すどころか会ってもいない。
それに名前も知らないし。
「あの…覚えていますか?私のこと」
「まぁ。名前は知らねぇけど」
「あ、そうでした。すみません。佐野 美琴(サノ ミコト)といいます」
にっこりと笑顔で、軽く会釈をする。
一体俺になんの用があるんだ。
もうこれ以上なにか面倒事に巻き込まれるのは御免だ。